遠投力はカープフィッシングにおいていざという時必要な要素だ

カープロッドの遠投力はいざという時の大きな武器だ

 遠投…ショアからの釣りでは避けては通れないのがキャスティング。中には苦手意識のある方も多いかもしれない。ボイリーを用いた欧州式のカープフィッシングは100mを超える遠投が可能な点が大きな特徴。無論、巨大なレイクでは200m、300m先を狙うためにベイトボートを用いキャスティングを行わない手法も存在するが日本ではまだ一般的ではないし、多くの釣り場においてはやはりキャスティングが重要な役割を占める。

 キャスティングにはそれ自体の楽しみもある。竿をきちんと曲げ、仕掛けが遥か彼方に飛んで行くのを眺めることは魚とのやり取りと同じほどに楽しいものだ。

 せっかく遠投が可能な仕掛けで釣りをするのだから、やはりキャスティングにはこだわりたい。ここではカープロッドと遠投について考えてみたい。

カープフィッシングにおけるキャスティング力の位置づけ

 いわゆる日本式鯉釣りにおいて、遠投はさほど重視されてこなかったかもしれない。一方、ヨーロッパスタイルのカープフィッシングにおいて遠投力はしばしば話題の中心となり、カープロッドには遠投力が求められるようになっている。

 この差はそもそもボイリーという遠投が可能な餌の使用が前提となっていることも勿論あるだろうが、釣り場の環境等の違いもあるだろう。日本の釣り場において、広大な河川や湖を除き100mオーバーの遠投が必要な鯉釣りのフィールドはそうそうあるものではないし、あったとしても、100m先のポイントを前に委縮してしまうアングラーも多いことだろう。

 例えば投げ釣りの世界では、日本のアングラーは遠投というファクターにおいて十分な経験と技術を有しているように見える。一方、鯉釣りという分野において遠投はそこまで重要視されてこなかった部分もあるだろう。事実、遠投が出来なくとも鯉釣りは成立することがほとんどだ。

 鯉釣りにおいてはピンポイントへの正確なキャスティングこそが命だ、という意見もある。これは極めて正論だ。しかし、だからといって遠投力を疎かにして良いということにはならない。アキュラシーキャストは、ディスタンスキャストの上に成り立つものだ。余裕をもった投げこそが、正確なキャスティングを可能にする。

 だからこそ、遠投力は武器なのだ。これは常に使われるものではないかもしれない。しかし、あれば必ず役に立つ。そして、見えない所でも役に立っている。遠投力とは、ロッドのポテンシャルとキャスターのポテンシャルとの乗算によって計算される。キャスター自身の遠投力を高めることは、もちろん必要だが時間も経験も必要とするだろう。ならばもう一つの要素、ロッドのポテンシャルをまず高めようではないか。唯一無二のロングカープロッド、アンテロープなら、それが出来る。

ヘビー級の錘が使え、150mクラスの飛距離を叩きだせる遠投能力

ロングカープロッド アンテロープ4.1m 4ピース

 4.1mというロングレングスと3.75lbというパワーを兼ね備えたアンテロープは、4ピースという継数の多さにもかかわらず高い遠投能力を有している。フラッグシップモデルとして自信をもって採用された細身肉厚の40t+30t高弾性カーボンブランクスは曲げこめば尋常ではない反発力を有しており、50号クラスの錘までも振り切れる。ぶら下げのオーバーヘッドでも100mオーバーは楽に、熟練者であれば150mクラスまで狙えるポテンシャルを秘めている。また投げ釣りなどでの使用ならば着地投法や回転投法でさらなる飛距離の伸びを実現する事も可能だろう。

 いわゆるピーキーの高弾性ロッドというのはハマれば飛ぶが少しでもタイミングがずれるとミスキャストとなり制御が難しい。アンテロープは絶妙なカーボンの配合とテーパーにより、パワーがありながらもその中にしなやかさがあるため、このような暴れ馬的な竿とは一線を画する実釣仕様だ。複数回の投擲の中で1cmでも遠くに、というキャスティング競技とは異なり、実釣では「ミスキャストしにくい」という要素が特に求められるのだ。

 4.1mというレングスは、それだけで大きな遠心力を生み出すため、単純に12ftの一般的なカープロッドよりも楽に遠投が可能となる。日本人の一般的な体格では4m強というレングスは最適解であることは多くの投げ竿がこのレングスを採用していることからも明らかだ。

 最高のカーボンブランクスに日本市場では最長のレングス、そしてパワーを誇るアンテロープは、まさに遠投用カープロッドの最高峰ともいえる。このロッドで、存分にロングキャストを楽しんでいただきたい。

カープロッドでのキャスティングについて

 ここでは簡単にではあるがカープロッドでのキャスティング方法について触れておこう。投げ釣りなどと異なり、基本的に仕掛けを地面におくことができない場面が多いため、必然的にオーバーヘッドでのぶら下げ投法となることは言うまでもない。さらに、ただ遠投をすればよいというのではなく、方向性も重視される場面が多いだろう。

 これらを踏まえると、頭上にロッドを高く構え、可能な限り振り幅を取った上でスイング面をぶらさないキャスト方法が好ましい。具体的には、正面を向いて立ち、重心は右足に、なおこの際ひざなどは曲げない、竿尻を出来るだけ高めに持ち、右手は後頭部あたりでやや余裕を持たせた高さ、そして肝要なのは、右手を後方にセットするようにして前後のスライド幅を確保する。タラシは1m程度、投げ始めは後方にセットした右手を右足から左足への体重移動と共に前に持って行きまだ竿の回転運動はさせない、その後右手をまっすぐ押し左手は曲げの起点としてきちんと支えながら胸に持って行く、あくまでメインは右手の押しで、左手を積極的に引くのではなく左手は竿の曲がりの起点と捉える。

この投げの動作を通じロッドはまっすぐ、決して左右にぶれない。すると必然的に対象方向から軌道がぶれることはない。少なくとも、理論上は、である。

 実際やってみると、この方法だとほとんど左右にぶれることはないだろうが、完全に頭上で竿を保持するのは人間工学的(?)に言えば最も力を発揮できるポジションでは無い。最もパワーを出して距離を伸ばすにはスリークウォーターが最適とされているが、いわゆるV字投法のように仕掛けを着地させないと完全なスリークウォーターは軌道がぶれやすい。したがって、より遠投が求められ、なおかつ制度も犠牲にしたくない場合、やや頭の右で竿を構え投げやすくしてやると右手の押しが力強く入り遠投力が増す。具体的には… スタンスは正面を向くのではなく、正面を90度としたら45度程度、足の角度で言うと右足が0度、左足が90度を向くように立つ、左手の竿尻は同様に高く掲げるが、頭上真上よりもやや右、そして右手であるが、右側頭部につくように構えた後右胸辺りから全体に後方にずらしてセットするが、一方で右手首も後ろにやや曲がった感触になる。この際、右手だけを後方にセットしようとすると右二の腕が体と水平、0度よりも後方に開かれ、いわゆる腕が開いた状態になり、力が入りにくくなる。完全頭上セットでは、自然と腕が開きにくいので特に気にすることはなかったが、このポジションは態勢的に楽である分、腕が開きやすくなるので注意したい。そして投げに入るが、足の体重移動と右手の前方への戻しでスライド動作をさせ、(ただしスライドはさほど大きくなくて良い)後は同じ、右手押しと左手起点を意識して投げるだけである。この投げ方は体勢的に投げやすいが、ロッドを振る面は先の頭上スタイルよりも多少ぶれやすい。ポイントは右手の腕を開かないこと、さらに右手を側頭部からあまり離さないこと、言いかえれば肘を開きすぎないことである。

 スライド動作というのは実際の投げではごく短い段階だが、とても重要であり、これは錘を展開するのと体の前後のひねりを生み出す意味合いがある。重要なのは特に前者の意味合い。ぶら下げ投法では錘は直角から始まるためそれだけでもまずまずのロッドの曲がりになるのではあるが、胴部分をしっかり曲げるには錘を外側に広げて投げるとなお良いのである。ただしスライドが大きいと錘が広がり過ぎ今度は「乗らない」キャストになってしまう。大きく体重移動をするのはこの意味でも良くない。コンパクトな投げ方で十分である。特に12~13ft程度のロッドではこれは当てはまる。例えば4mオーバークラスの長竿でタラシも長いならば錘を展開するのにスライド幅が多く必要となる。

 なお、さらに飛距離を求める場合は、右側頭部に付けるようにセットしていた右手を少し離して右手のひじが90度に、また右手が胸と一直線になる位置に持って行くようにしてロッドを少しからだから離す。竿尻も自ずからやや右手に移動し、竿はまっすぐ目標に向かうようにする。このようにしてV字投法のように反動を付けて左足を前に出し、スライド幅を取りながら竿の軌道は必ず体の右できちんとぶれないように確保して投げると、オーバーヘッドとしては最も飛ぶ。注意点は竿尻をしっかり支点として力強く持ち、右押しを有効なものとする、竿尻が投げ終わった後体の真ん中に来ていれば失敗である。竿の軌道は体の右側なのだから竿尻は右胸~やや右あたりに収まるべきである。この投げ方はともすれば右に抜けるがそれは竿を振る軌道がぶれているからであり、構えで竿尻を目標物に向けて(やや左に修正)やることと竿尻をしっかり支点として持つことで解決する。頭上や側頭部で構えるよりも体の重心移動を使いやすく、態勢的にもより投げやすくなる。これをさらにパワフルにするのが着地投法であるが、ここではカープフィッシング向けでは無いので割愛する。

 さて、簡単にと言ったはずが長々としかも分かりにくい乱文となったが、ついでに、カープロッドを簡易ルアーロッド的に使うこともあるだろう。特にパックロッドタイプのカープロッドではそのような場面も多いことだろう。しかしここで、カープロッドはシーバスロッドに比してかなり硬めであり、例えば10g程度のルアーを投げるにはかなり硬すぎる。普通にバックスイングを取って投げてもあまり飛ばないだろう。このような場合、長たらしのサイドキャストがお勧めである。まず、スタンスは右足0度、左足90度。ルアーはリールの位置~或いはそれ以上。かなりの長い垂らしである。そして自分の後方-90度に向かってルアーを円を描くように放り投げるように回し、後方で一度引っ張って-120度程度の所でルアーを浮かせて止める。この時ロッドを同時に水平にし、投げの態勢に入る。最初はルアーを鋭角から展開しなければならないので正面を向く際はまだ振りに行かない。いわばここがスライド。そして完全にサイドキャストで振りきる。振る面がぶれないように注意する。

 この投げ方はタラシが長く、かなり遠心力を生むので竿の如何によらず飛距離が出やすい、完全なサイドキャストのため軽量ルアーに最適である。ルアーを空中で浮かせて止める所に慣れが必要だが、いわゆるスイング投法の派生形であり、ヨーロッパの軽量プラグでのスイング投法の方法に類似したものである。バックスイングをとるいわゆるルアー投げはタイミングが合わないとバックスイングが逆効果になることもあるが、浮かせて一旦止めればそのようなことも起こりにくい。また普通のスイング投法は順方向に錘を回すが、これは遠心力が生まれすぎて場合によっては危険である。比較的(あくまで比較的、であるが)スペースが要らずそれなりに飛距離が出る投法としてこのサイドキャストは覚えておいて損はないと思われる。なお、かなり軽量なルアーの場合周囲に注意すれば順方向のスイングでも問題はない。