本流釣りの頂点・鮭釣りに本流竿APS8500で挑む

本流竿A.P.S8500で初冬の遡上鮭を狙う

 

 

 青森県・奥入瀬川。景勝地として名高い奥入瀬渓流の下流では、毎年調査捕獲と称して鮭釣りが一定期間許可される。
私が初めてこの地を訪れたのは、雪舞う初冬のことであった。
狙うは、大型のシロサケ。日本最大の、この本流釣りターゲットに対峙するために用意したのは、Pole and Line・APS8500である。

 まだ低い位置から差し込む朝日に照らされた御幸橋は、鮭釣り会場の目印だ。この橋を越えるとすぐ右手に、サーモンリバーの旗がたなびいている。
真っ白の河川敷をゆっくりと下り、早速管理事務所に向かう。

朝の奥入瀬川には靄がかかっていた
釣行当日、朝の奥入瀬川には靄がかかっていた


 受付の女性から調査員証を受け取り、おおまかなポイントなどを訊いてみる。
彼女いわく、目の前の水叩きにヤナが設置されており、それよりも上流は鮭がいない、ヤナの前のプール部分が最も鮭が多く、

下流4kmにわたっても釣り範囲であるので自由に移動して良いとのこと。
とはいえ、初釣行で土地勘のない私はそれほど移動するわけにもいかず、とりあえず、実績のあるプールの最下流際から攻めていくことにした。

 既にプールの岸にはルアーマンとエサ釣り師が…、スペースは狭いながらもその間にお邪魔することに。
水深は受付の女性いわくせいぜい腰から胸程度だそうだ。目測後、目印は1.2m程度で始めてみることに。
目印はがまかつの見え見え目印太タイプ×2つ。
錘については、ドラグをかけたゆっくりとした流しをしようと思っていたので、2B+3Bでセットした。
ラインは4号の通し。80cmオーバーも照準に入れた仕様である。
針はオーナー針サルモ15号。針から錘は40cm強とした。
それほど自然な流しよりもむしろ感度を優先し、大オモリの割には短めにセットしたのだ。
エサはサンマの短冊。予め仕掛けは作っておいたので、これをリリアンにチチワの2回づけで繋ぐ。
そして、竿はもちろん、Pole and LineのA.P.S. 8500である。
いわゆる本流竿よりも先調子で、バットパワーがものすごい。
混雑した今回のような釣り場では、手早く獲物を手中に収めることが肝要だから、少々強引に対応できるこの竿を選んだのだ。

奥入瀬川鮭釣りの様子
当日の奥入瀬川の朝。この頃は人も少なかったが、午後からは混雑し始めた。


 まずはまわりを観察しよう、ということで見ていると、エサ釣り師は岸寄りのやや流れの弱い、しかし深そうな場所を丹念に探っている。
一方、ルアーマンはプールの真ん中からリトリーブしてきて早速1匹鮭を釣り上げていた。
エサ釣り師のせめている場所は流れが反転しているようで、私も早速少し探ってみたが、どうにも流れが遅く、

手前に向かって流れが来るので今一つと感じる。

 ルアーマンが移動したので、私も腰までウェーディングしてキャストを開始する。
あまりに着込んだ服装、慣れない大オモリと大餌で思い切り振り込めないが、とりあえず近場から攻めていく。
流れが弱く、仕掛けが思うようにドリフトしない。オモリを軽くするのも手だが、大餌を扱う以上、或る程度の沈下力は必要だ。
と、ふと見ると15mほど先で雄の鮭がジャンプするのが見えた。
もう少し沖を狙ってみないと、と思い、思い切り振りこむ。
プールの真ん中あたりに仕掛けが届くと、それなりに目印は流れ、やっと「ドリフト」ができるようになった。
最下流、次のプールへの段差付近でかけあがりになっているようで、水深は浅くなり、目印が止まってしまう。
そこで仕掛けを上げて又振込むのだが、何度かこれをしていく中で、仕掛けが妙な重みを持ったのを感じた。

 はて、ねがかりかな、と思い少し竿を上げると、なにやら魚が暴れた。
かかった!その後はただ夢中で岸へと後ずさりし、ほとんどためることもなく、そのまま魚を岸にずり上げた。鮭である。

60cm台、2kg足らずの綺麗な遡上雄。


 ひとまず坊主は免れたのだが、あまりに簡単に寄せられたので、なんだか拍子抜けである。
A.P.S. 8500はバットが非常に硬いので、曲がりの支点が比較的高い位置にある。
だから、魚がむやみに走らないし、 この程度の魚だと、いとも簡単に寄せることが出来る。
4号という太いラインも扱えるので、安心してやり取りができ、あたかも普通の渓流竿で小さなヤマメを釣るような感覚である。

奥入瀬川鮭釣り・当日の釣果の内の1匹
当日の釣果の内の1匹。サイズに不満が残ったがそれでもA.P.S 8500の圧倒的なバットパワーを確かめることが出来た。

 しかしこれで満足など出来ない。
ここは、なんとしてもこのA.P.S.8500を唸らせるような、80cmクラスの鮭を釣らなければ!

再びプールの沖を狙っていると、少し手前に流れていた、あまり期待していなかったドリフトで、目印が止まった。
軽く竿を上げてみると、かかった!しかし、小さいことはすぐに分かった。
鮭は水面まで上がって跳ねたのだ。これも先調子寄りのAPSだからか、鮭はほとんど沖へ走らず、今回も一気に岸まで後ずさりして

簡単にずり上げた。50cm強、1kg台の雄であった。

 先ほどの鮭を釣ってからそれほど時間を経ずに2匹目を上げた私は、よし、これでいけると信じて疑わなかった。
次こそは大型を、と気を引き締め、再びプール沖を狙って振込みを始めた。
が、しかし、そこから後が続かない。人が増えだし狙いの場所への振り込みが困難になったことも、状況の悪化に拍車をかけていた。
隣に来たルアーマンも来てすぐに1匹を上げたのみで、後は沈黙。
時折鮭が水面で跳ねるのが見えるが、やはり流れのあるプールのど真ん中ばかりだ。
更に人が多くなってきた正午、ひとまず休憩を兼ねて岸に上がることにした。

 弁当を頬張りながら、残された午後の部に賭けるしかなくなった私は、頭の中で次の作戦を練っていた。
とりあえず、手前のトロ場で粘っていたエサ釣り師は観ている限り1匹も上げていなかったので、やはり鮭は流れの

あるプールの真ん中に入ることは確かだ。ただ、ルアーマンも苦戦しているように、なかなか口を使わない。
前日の雪による水温低下が原因か、あるいは、すれてしまっているのか。
とりあえず、2匹をヒットさせた場所よりも更に遠くの、本流を狙ってみようということで、再び川に入ったのはなんだかんだで午後1時。

 段々と着ぐるみ状態での振り込みにも慣れてきて、普段のフォームを少しづつ取り戻しつつあった私は、思い切って遠投を始めることにした。
残された時間は2時間、エサは嫌というほど余っている。身切れして飛んでいっても惜しくない。
そう思って、左からのスリークォーターで思いっきり振り込んだ。
今までよりも明らかに飛ぶようになり、プール沖の本流に手が届くようになった。
目印もわずかに深くした。あとは、アタリを待つのみ…。

 ふと、目印が止まった。ネガカリか?恐る恐る合わせると、がくがくっという、ネガカリとは異なる感触。
鮭だ、追い合わせを!そう思ったのも束の間、するっとテンションは緩み、素針が空しく風に乗って帰って来た。
明らかにバラしてしまったと、初めて感じた。
結局これが、唯一のバラしとなり、更に、最後のアタリとなることに。

 午後は周りも沈黙気味で、さすがのルアーマンも諦めたのか、場所を変え始めた。
更に、あまりの西日のきつさに、本来狙うべき場所を見つめることすら困難な状態。なんだか士気も下がってきた。
そこで、プール下の浅瀬へ、最後の望みをかけて移動することに。

 その場所は岸から急に一定の深さがあるので、陸上からアプローチする。
目の前の流れのある筋を一通り通すもなんの反応もなく、すこし筋をずれると、ガンダマがコツコツと五月蠅いほどに底を這う、浅瀬である。
実は、プールの方は底に石は少なく、砂地というか土のような底質がベースで、ところどころに石や落ち葉、更には木の枝が落ちているような

感じであり、更に流れもそれほど強くないので、ガンダマのコツコツはあまり伝わらない。
午前中にも足元で仕掛けの流れを確認したのだが、確かにエサ、ガンダマともに底を這うようにゆっくりと流れているのだが、

手元にはあまり伝わってこないのだ。しかしこのプール下は流れが強く浅いので、コツコツが嫌というほど分かる。

 結局、水深不足と判断し、切り上げることに。
時計を見ると3時前。もう、続ける時間、そして気力と体力はなかった。
午後からは風が出て、竿を振る腕はパンパンになっていたのだ。

 この日の釣果は前日の雪の影響からか、他の釣り人も釣果なしの人もいたりするなど、奮わなかった。
私も決して大きくないシロサケが2匹という、残念な結果に終わったが、これもまた釣りである。
また、この程度の魚なら本当にいとも簡単に寄せられるAPS8500のパワーを再認識することができたし、

この竿をひん曲げるような大物を狙いに、また次のシーズンが心待ちになるような釣行であった。

 

 


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