延べ竿大物釣りのターゲット、シロサケ

延べ竿大物釣りの仕掛け作り

通し仕掛けは善か

 のべ竿大物釣りにおいて、通し仕掛けは一般的な仕掛けの一つである。何より強度がある分、ラインブレイクも少ない。仕掛けに弱点が無いから、ラインの強度そのままを活かせる、といったメリットがある。大物本流釣りでは殆ど通し仕掛けがデフォルトの様になっている感もある。

 一方で、ラインは絶対に切れないものではない。また、あまりに強いラインはロッドの破損も招く。我々が考えなければならないのは、2つの方向性からの視点だ。つまり、ラインブレイクやロッドの破損などを出来るだけ防ぐと言う観点と、しかし必ず起こるこれらの事態の際に被害を最小限にするという観点だ。ここでの被害とは、釣り人のタックル、資産側からでもあるが、同時に魚に出来るだけ大きな荷物を背負わせたままにしないということである。そして通常、両者の被害は比例し、最も大きな痛手である竿の破損では、魚は針、ライン、そして竿の一部まで引きずったまま暮らすことになる。その結果は、運次第だが芳しいものではないだろう。

 さて、通し仕掛けは十分な強度の竿と併用すれば最も切れにくく、魚も人間も被害が少ないが、それでも切れる場合は、多くが針との接続部分かリリアンの接続部分だろう。前者であれば、魚に残るのは針だけとなり被害は少ない。一方、不幸にも後者となれば例えば接続金具でハリス部分を設けている場合よりもタチが悪い。8mや9mのラインを引きずった魚は、かなり状況的に厳しくなるだろう。

ウィークポイントを減らすのは大切、しかし皆無なのも如何か。

 とりわけ大物相手の場合、どれだけ「大丈夫だろう」と思えるタックルでも切れることがある。ウィークポイントを減らす意味で通し仕掛けは合理的だが、数少ないラインブレイク時に針側で切れるかリリアン側で切れるか、或る意味運任せである。無論、リリアン側で切れない様に、撚り糸などを施したり二重にしたりすることは効果的だろう。針側も同様にウレタンチューブで保護したり、二重にすることも可能だ。こうしてウィークポイントを減らせば減らすほど、一方で結局切れる場所は運任せになる。

 その意味で、例え通し仕掛けでも、針側にウィークポイントを作っておくことは必要悪ではないかと考える。リリアン側で切れることは絶対にあるべきではない。だとすれば、針側の保護を過重にしないという意味でのウィークポイントが、必要になるのではないだろうか。

 もちろん、今までに十分に経験のある魚、場所であれば、よほどのことが無い限り切れないタックル、ラインというものが分かるだろう。だから、9割9分切れないと言うタックルで臨むのが最善である。それでも、わずかでも切れる可能性は否定できないならば、「相対的な」ウィークポイントを針側に設定する事をお勧めする。リリアン側の保護を十分にし、ラインを常に新しいものにしておけば、通常は針側でラインは切れるしかない。サケ釣りの様にここを保護する事が通常だったとしたら、なおさらリリアン側の保護を過大にしておき、「相対的に」針側をウィークポイントとするしかない。そしてもう一つの考え方は、あえて接続具等でハリス部分を作り、道糸部分を適合ライン以上の絶対に切れないと言えるようなラインにしておく方法もある。釣獲実績の少ない、未知の大物を狙う場合、どれだけのラインを持って「9割9分」安心と言えるかわからない、ならば、或る程度は切れることを想定し、切れた時の被害を最小限にするしかない。通し仕掛けならば針の保護を落とす、あるいは先のハリス部分の設置、などが考えられる。

基本は掛けたら獲る、万一の時は被害を最小限に

 延べ竿で大物を釣ることに対し否定的な意見の釣り人には、そもそも切られる可能性が低くない釣りをするのは魚に対して優しくないという意見がある。延べ竿でのスリリングなやり取りは魅力だが、それは切られそうな細糸を使わなければ達成できないものではないだろう。とくに大物相手では、こちらにその意図が無くても十分な準備が無ければラインブレイクが頻発する。長く釣りを楽しむためにも、出来るだけ魚に負荷を掛けない釣り方を心がけたい。基本は、掛けたら獲る。それでも切れる際には、できるだけラインを残さない切れ方をするように工夫を心がけたい。延べ竿大物釣りが、自然負荷の少ない釣りだと胸を張って言えるように、一人ひとりの愛好家が気を付けたいものである。

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