センターピンリールのキャスティング。BC swing キャストと wallis castのバリエーション

 センターピンリールのキャスティングとして当サイトではノッティンガム、wallis、そしてサイドキャスト(サイドスピニングキャスト)の3つを紹介してきましたが、北米で良く用いられるBCスイングについてもそろそろ少し触れないといけないかなと思い始めています。

 といいますのも、このBCスイングは10g以上の錘であればwallisよりも手軽で、なおかつ(右利きの場合)右側しかスペースがない状況でもキャストが出来るのが利点です。

センターピンリールをいわばマルチプライヤーに見立てたキャスト方法で、バックスイング後半からリールはフリーにしておきフォワードキャストでしっかりリールが回るようにしておくのがこのキャストのみそです。当然軽い錘ではリールが回らず飛びません。したがって英国のトロッティングの様な釣りでは用いる場面はないでしょう。大仕掛けのスチールヘッドの釣りならではの発想ですね。

 私自身はBCは以前から知ってはいたものの10g以上の錘をあまり使わないのでチャレンジせずにいました。しかしセンターピンリールの釣りの門戸を広げる意味合いで、大錘を遠投可能なキャストとしてサイドスピニングキャストよりも手軽でなによりラインのヨレが生まれないという絶対的なメリットがあると言われるBCキャストを避けては通れなくなってきたのです。

 実際試してみて、10gの本流スティックシンカーではおおよそ20m弱の飛距離、思ったほどは飛びません、海外のフォーラムでは50m近く飛ぶという意見もありますがこれはもっと重い錘でしょうが。それにしても10gで20m弱ではwallisキャストと変わりません。まだまだ研鑽が必要なようです。

 wallisキャストは軽く自力で飛ぶ力が少ない錘をいわば手でリールに勢いを付けてあげる投げ方ですので基本的には軽量仕掛け向きなのです。実際やってみるとお分かり頂けるかと思いますが例えば20gなどの錘をwallisキャストするのは少し違和感があります。やって出来なくはないですが。

 wallisキャストの真骨頂は、ガンダマ数個などのごく軽量の錘を、スピニングで投げても飛ばない様な錘を、それなりに飛ばせるという事にあります。例えばノンフロートでガンダマ5B2個、餌はキジのようなセッティングでも、15mくらいは飛ばすことができます。これは他のキャスト方法では、ノッティンガムを3つの指を使えば可能ですが手間とトラブルの無さらかして圧倒的にwallisに軍配が上がる事でしょう。

 そのwallisキャストですが、よくYoutubeなどに出ている動画と当サイトで紹介しているやり方が微妙に違うのではと思われるかもしれません。はい、実際違います。原理は同じですがバックスイングの位置、振りの角度などはかなりのバリエーションがあります。modified walliscastといったものもあります。ただ原理は全て同じで、要はpull castと呼ばれることからも分かるように、左手の引きでBCのように投げても回らないリールを補助的に回してラインを出してやりながら投げるという事なのです。

 当サイトで紹介しているスタイルは完全に水平のサイドキャスト方式で、なぜこれを紹介しているかというと振りの面が平面で分かり易く、最初に原理を覚えるには最も適していると考えているためです。実際には、要はpullがあればこのキャストは成立しますから、断面をスリーうウォーターにしたり振り子の様なアンダーハンドにしたり、あるいはオーバーヘッドもできなくはありません。サイドキャストは高さがない分極度の遠投には不向きなので、より飛距離を求める場合はスリーウォーターがお勧めですがまずはサイドで仕組みを理解してからの方が良いと思います。

 また立ちこんでの釣りならまだしも、土手からの釣りで左右後ろを草木に囲まれwallisが出来ない、というケースもあるでしょう。しかしそんな状況でもwallisは可能なのです、具体的には左肩のすぐ後ろくらいで仕掛けをぶら下げそこからアンダーハンドで投げるように小さくシャープなストロークで投げつつpullを小さく斜め下に行えば、アンダーハンドの、バックスイングなしのwallisキャストの出来上がりです。ノッティンガムをやるよりはスマートです。

 なお軽量のガンダマ仕掛けでなおかつこういったアンダーハンドでやる場合は左手のガイディング(輪っかを手で作りラインを収束させていくこと)はあまりきっちりやるのではなく最後まで緩めにリールから離したままにしておく方がトラブルは少ないでしょう。軽量仕掛けではさほど勢いがないのでガイディングをきっちりしすぎるとラインの勢いを止めてしまいがちなのとラインをリールに近付ける際に収束がうまくいかずバックラッシュしたりすることがある為です。

 センターピンリールの釣りの最大の難関はキャスティングであるとは思いませんが、かといってキャスティングが容易なリールでもありません。そもそもこの釣りにキャスティングはさほど意味をなさないのではありますが、それでも多くのセンターピナーがキャスティングにこだわるのは、最初の投入地点が流れの筋から外れていると数十メートル流した後の軌跡が随分違ってくるからです。50cmの違いでも、それが沖に出る流れに乗るか乗らないかの境目であったりします。だからこそ、この飛ばないリールでいかに飛ばすかを皆が考えるのです…。