フロートロッドでのルアーキャスティングと飛距離

 フロートロッドは本来ルアーロッドのようにフルキャストで遠投をすることを求められませんのであまりキャスティングには向かないロッドが多いのですが、POLE&LINEで現在開発中の14ft5ピースフロートロッドはロングルアーロッドとしての使用も考慮に入れている為ルアーキャスティングでのテストも行っています。

 プロトで以前行ったテストでは

18gインランドキャスティング用プラグ:74m(このプラグは、競技では投竿+スイング投法で100m以上飛ぶプラグです)

18gシマノ製ラバープラグ:73m(同上)

DUELバイブレーション(20g程度):59m

シマノ オシアミノーヒラメスペシャル115F:57m

7.5gインランドキャスティング用プラグ:42m(このプラグは、競技ではシングルハンドの円盤投げ投法で70m程度飛ぶプラグです)

という結果でした。

リールはシマノ3000番、ラインPE1号で、陸上でのメジャーによる実測です。

左右若干斜めに飛んだ場合でも正面での距離の計測ですので直線距離ではもう少し飛んでいるのでしょう。

 

このテスト時は風があり追い風や横風があったのと、ラインの巻量が少なかったためあまり良いテストではありませんでしたが、とりあえずの参考にはなるかと思います。

 

14ftということで、本来ならばもっと飛んでもよいと思われるかもしれませんが、陸上での実測は普段の釣り場よりもシビアな結果になります。普段の釣りでのライン放出量は糸ふけがどうしても出て、それは遠投すればするほどそうなる為です。

 

こういう飛距離テストをする際、私は基本的にインランドプラグを良く使用します。

といいますのもこのプラグは競技で使われている為、その正確な限界飛距離が分かっているからです。

ルアーはメーカーのカタログの飛距離もどんな投法なのか分かりませんし、どんな人が投げているのかも分かりません。

18gプラグは、投げ竿とスイング投法で100mオーバーが限界飛距離です。ラインはナイロン2.5号に力糸としてナイロン5号です。

無論これは訓練をした競技者が投げてのものですので、私を含め普通の人が普通のルアー投げをして「良く飛んだ」と言えるのはこの7割~8割が基準だと考えます。つまり、80mオーバーです。尚無風条件です。

 

このように見ますと先のテスト結果、おそらく無風であれば18gプラグは60m台前半程度でしょうから至って平凡な飛距離です。お世辞にも「良く飛んだ」とは言えません。

 

理由はおおよそ見当がついています。

1.ガイド数が多すぎる、ガイドの数が小さすぎる…14個付いてますし先端は6mmガイドばかりです。

2.ティップが軟らかすぎる…あくまで遠投を目的にすれば2mm以上のショアジギングのロッドの様な竿が理想です。なぜなら、穂先がキャスターのパワーを吸収しダイレクトにプラグに力と初速を伝えにくくなるためです。

3.全長が長すぎる…一般に遠投にはなによりも初速が第一、そして人間が振りきれる竿の長さのベストはおおよそ3m台後半です。これはインランドキャスティング競技者のロッドを見ても分かります。よりヘビーなサーフ系のキャスティングでは4m台も用いられますが、軽量プラグはとにかく初速が重要、そして初速を出すには竿の反発うんぬんよりもとにかく速く振る、これが大切ですから4m以上の長竿はよほどの怪力でない限り振りきりが遅くなり向きません。

(※確かに長竿ほど「短竿と同じ速度で振れば」ティップの速度は速くなり遠投に有利ですが、「短竿と同じ速度で」振ることは不可能でデメリットが勝ってしまうのです)

4.全体にしなやかすぎる…遠投だけ考えれば殆ど曲がらない棒のような竿の方が飛びます。上述の通りです。

5.継数が多い…一般にマルチピースロッドは飛びにくい、とされていますが、正直なところ昨今の製竿技術ではここはあまり差が出ないところだと考えます。

 

こう考えると、フロートロッドって遠投とは真逆のポジションにいる竿なのですよね。

フロートロッドはロッドパワーをしっかり引き出し官能的に魚をいなすためしなやかなければならず、また安定したドリフトの為に小さなガイドを多く必要とし、ラインメンディングの為に全長が必要で、感度と食い込みの為に穂先はソフトであらなければなりません。

全て遠投には不向きな要素です。

その中で先のテスト結果を見ると…善戦していると思いませんか!?

おそらく、フロートロッドの中ではかなり飛んでいる方だと思います。5ピースにも関わらず、です。

これはフロートロッドでありながらバットパワーを持たせ、ガイド数も14個と多いながらもフロートロッドとしては必要最低限に抑えスピニングにも対応するような種類と配置にしたことが大きいと考えます。

 

そしてこのフロートロッド、確かに単純な最大飛距離でショアジギングロッドやシーバスロッドの硬めのものには及ばないでしょうが、とにかく「楽に飛ぶ」のです。しなやかに曲がりこむので振りきり速度がゆったり目のキャストに適しており、キャスターの振りきり速度ではなく遠心力とロッドの反発力で飛ばすキャストに向いています。つまり、6割程度の力で投げてもマックスで投げた時の飛距離とあまり差の出ないキャストができるタイプの竿だという事です。これは悪い様に言えば最大飛距離が伸びにくい竿という事ですが、競技ではなく実釣では圧倒的に楽なタイプの竿です。

 

また機会があればよい条件下でより詳しい飛距離テスト、また他のロッドとの比較等も行いたいと考えています。