本流竿、海を渡る。

 去年あたりからRUDOW8500のオーダーが海外特に北米から来るようになりました。一昔前まではおそらくこのような本流竿の存在は海外では殆ど認知されていなかったと思いますがインターネットの発達とテンカラ人気の高まりで延べ竿全般への興味が高まっているようです。特に渓流系の認知度は高まってきています(ヘラ竿系は未だ遅れている感がありますが)。

 本流竿は鮎竿と並び日本の延べ竿の最高峰に位置する竿です。長さも、価格も、求められる技術も…そして対象魚も、本流竿は延べ竿の限界に挑む竿であり、鮎竿は友釣りという極めて特殊な釣法に対応するための高度な専門性が求められる点である種の限界に挑む竿です。

 まだまだテンカラに比べると本流竿の認知度は低いのですが、それでも少なからざる海外のアングラーがこの限界に挑む釣りに興味を持っているようで…体力のある海外のアングラーならばよりヘビーな本流竿でより大きなサーモンをターゲットにしてもおかしくありません。

 RUDOW8500でもキングサーモン釣りを楽しんだとの知らせも頂いていますが、どの程度のサイズなのか…分かりませんがこの竿は基本はメーターまでを推奨します、販売側としては…。ともあれこの手の釣りが海を渡って楽しまれているのはこの上ない喜びです。

 一方で海外では大物延べ竿の釣りに対する批判や偏見も根強くあるのが現実です。例えば竿が折れたら魚は竿を引きずったまま死ぬのでは?とか、ラインブレークが多いから無駄に魚を傷つけている、とか。あるいはリールでやり取りする方が魚が疲れずダメージが少ない、とか…。前2つはある意味事実ですが、最後のは完全な偏見です。はっきり言って延べ竿の方がファイト時間が短く魚へのダメージは少ないと考える方が合理的です。前2つに関しては、余裕を持ったタックルで挑むという原則を守ればそうそうラインブレーク、ましてや竿の破損は起こりません。

 延べ竿の釣りは他の頁でも書いていますが攻める範囲が限られており使用する釣具がシンプルかつライトなので環境負荷はリールの釣りに比べて圧倒的に低いという点が未だあまり認識されていないようです。こういった部分はしっかり発信していかなければならないと思います。同時に、細糸や極端な軟竿でスリリングなやり取りを楽しむ、といったものは、諸条件にもよりますが基本的には控えていくような方向性が好ましいのかも知れません。それよりは太糸でいかに食わせるか、といった探求をしていくべきなのかもしれません。

 良く延べ竿の釣りは掛けるまでは簡単だが掛けてからが大変、リール竿、特にルアーなどは掛けるまでは大変だが掛けてしまえば楽、といった比較を聞きます。確かに延べ竿、特に餌釣りはアタリも多くこれが魅力の一つではありますが、アタリを多く出すためにむやみに細糸を用いて結局ブレーク…というのは避けたいものです。

 日本の延べ竿釣りの進化の最先端にある本流釣りを、世界に誇れるようなものにするためには魚や環境へのちょっとした配慮が大きな意味をもつのかもしれません。