ブレークライン/ブイ ヨーロッパオオナマズ釣りの釣法解説

ブレークラインでのヨーロッパオオナマズ釣り

装備や手間はかかるが最も釣果を得やすいブレークライン/ブイの釣り

基本コンセプト

 ブレークラインは、ヨーロッパオオナマズ釣りにおいて良く使われる手法であり欧州大陸で人気がある。ブレークラインとは日本語で言う所の捨て糸である。仕掛けを固定して釣る手法である為ポイントの選択眼が求められるが適切な位置に仕掛けをセットできれば最も有効な手法の一つとなり得る。ナイロンの捨て糸がオオナマズのバイトによって切られるシステムであり、ここからこの名がついた。

 この釣りの目的は、流れのある川でピンポイントの中層を狙うという事にある。通常のウキ釣りでは仕掛けはどんどん流される。ブッコミでは底付近しか探れない。ウキを固定するために編み出されたのが、対岸の障害物に捨て糸で繋ぐというなんとも大胆な手法なのであった。
 この釣りのもう一つの特徴に向こうアワセならぬ自動合わせとでもいうべきものがあり、それは仕掛けをセットした際にロッドの先が曲がるほどにテンションを掛けてセットしておくことでナマズが掛かりブレークラインが切れた際に竿先が跳ねかえり自動的にアワセが決まるというものだ。ブレークラインはヨーロッパオオナマズ釣り入門者にも釣果が上げやすく、釣り自体もさほど難しいものではない。ただ仕掛けのセットにボートが必要で、ルアー釣りの様な簡易性には欠ける釣りである。

この釣りが有効な場面

 ブレークラインの釣りは夜釣りで特に有効であり、またポイント選びはどんな魚釣りでも当然だが変化のある場所、障害物周りや深み、流れ込みなどをきちんと選ぶことが大切だ。魚群探知機が非常に有効となる。またこの釣りでは生き餌の泳がせ釣りとなるわけだが、生き餌が自然に泳ぎ長持ちするように流れが弱いポイントを選んだほうが得策である。加えて、水温が10度以下になるような寒い時期にはこの釣りはあまり適していない。中層以上を狙うため当然といえば当然である。寒い時期にはストーンフィッシングがお勧めである。
 当然のことだが船舶が往来するような川でこの釣りを行う事は大変危険である為注意したい。

タックル

 ロッドとリールについては、専用のものが必須となる。ロッドに求められる条件は、レングスは9ftから11ft程度、キャスティングウェイトは300~500g程度。なおここで言うキャスティングウェイトはルアーのそれではなく指標的な意味合いが強い。例えばエクエスは欧州のオオナマズ竿で言う所の300~400gクラスのパワーは十分にある。

ヨーロッパオオナマズ用大型リール
DAM社のヨーロッパオオナマズ用スピニングリール。もちろん日本メーカーの大型リールも使用可能。

 リールは欧州の専用のものでも良いし、日本メーカーの8000~10000番クラス或いはそれ以上でも良い。意外と小さめのリールでも上がるには上がるが、万全なタックルで臨みたい。

マッドキャットのバイトアラーム
マッドキャットのバイトアラーム。ワイヤレスレシーバー付きの物はテントなどで待機する際に便利だ。

  バイトアラームは、少し意外かもしれないがいわゆる鈴で十分、実際よく用いられる。カープフィッシングと異なりロッドは垂直に立てラインはフリーに出すわ けではないのでカープ用のバイトアラームは使えない。代わりに振動を感知する専用のバイトアラームが販売されており、中にはブレークラインが切れるまでの アタリと切れた後の本振動を音で聴き分けられるような便利なものもあるので余裕があるなら専用のバイトアラームを用いたい。

ヨーロッパオオナマズ用竿受けとエクエス
このような金属製の堅牢な竿立てが必須となる。自作するアングラーもいる。

 竿立てはいわゆる一本竿受けタイプで竿を垂直に立てられるもの。なお日本のものは強度が弱くお勧めできない。北海道のサケ釣りなどでも類似の物が用いられるがヨーロッパオオナマズ専用のものは堅牢性が全く違う。何しろ相手は2mオーバーの巨体であるからだ。

 仕掛けの構造

マッドキャットのヨーロッパオオナマズ用PEライン
PEラインはメインラインに多用される。
ヨーロッパオオナマズ釣り用ウキ
ウキは大型。ブレークライン専用に作られたウキもある。ブレークラインを上方にセットできる。またケミホタルなどを付けることができるウキも多い。
ヨーロッパオオナマズ用フック
フックはこの形状が多い
トレブルフック
孫針として使われるトレブルフックはルアーのそれと大差ない

 仕掛けの構造としては、ブレークライン以外はシンプルなもので、300g程度の大型のウキで、生き餌を泳がせる。ウキは餌の状態を見たり仕掛けの場所を確認したりといった意味合いのほかに、ナマズが掛かった際に仕掛けが底に沈みネガカリすることを防ぐ意味合いもある。
 仕掛けに使われるメインラインはPEで50kg程度の強度、ハリスはナイロンあるいはPEでも良いが強度は100kg以上の強いものにしたい。これに一本針あるいは二本針をセットし生き餌を付ける。針付近はシュリンクチューブでコーティングし絡みを防ぐ。餌は生き餌が用いられ、コイ科の魚を中心にボラやニジマスなども良い餌である。特に水温が低い時期はマス類が良い。サイズは10cm台から30cmオーバーまで色々。1kgを超える様な餌も3m近いヨーロッパオオナマズにしてみればさほど大きな餌ではない。
 タナの設定については、場所や時期にもよるが水面付近から中層まで適宜調整する。ただしこの釣りは基本的にベタ底を狙う釣りではない。タナが深いとネガカリが多発する為中層以上にセットすることが推奨される。
 流れが強い場合は餌をしっかりタナに沈め固定するために10号~50号程度の錘を適宜通すこともあるが、基本的には生き餌はウキ以下ではフリーに自然に泳いでいる方が好ましい。
なおヨーロッパオオナマズは殆ど敵のいない捕食者であり、音などにはむしろ興味を示し寄ってくる。これを利用したクロンクフィッシングもあるが、この習性を利用しラトルを仕掛けに通すことも有効だ。

マッドキャットのヨーロッパオオナマズ釣り用錘
餌をしっかり沈める為に錘を用いる。このマッドキャットの錘は中通しスタイルながらパイプが付属した交換が容易な優れモノ。
ヨーロッパオオナマズ釣り用ラトル
マッドキャットのラトル

ラトルは音でヨーロッパオオナマズをおびき寄せる。このマッドキャットのラトルは生き餌が動くたびにその力で音を出しオオナマズを誘惑する。生態系の頂点に君臨するヨーロッパオオナマズは音などに対して警戒するのではなくむしろ寄ってくるのである。


 仕掛けのセットとブレークライン

 仕掛けのセットはまず対岸の障害物、多くは木の枝や杭などにブレークラインをセットし、メインの仕掛けを落とすことから始まる。この際、あまり対岸寄りに仕掛けをセットしてしまうと、岸近くの沈んだ障害物などに仕掛けが絡まる為、或る程度岸から離れされることが必要になる。
 ブレークラインのセット方法は、直接木の枝などに結んでも良いが、ナイロンラインのため、この部分が長くなればなるほどクッション性が増してしまい、ナマズが掛かった際にきちんと切れない場合が出て来る。また、仕掛けとの接続に手間取ることもある。その為、ブレークラインに紐を結んだり、また仕掛けとの接続にスナップや接続具を使うのも有効だ。ブレークラインそのものには直径0.40mm前後のナイロンラインを使用するのが良い。メインラインを接続するのは先述の通り接続具を付けておくのが便利だ。
 仕掛けのセットはボートで行い、岸に戻ったら竿を竿立てに立て、リールを巻ける所まで巻きしっかり竿を曲げておく。ラインはピンピンに張った状態。これでオオナマズが掛かりブレークラインが切れれば一気に竿先が跳ねかえり自動合わせが決まる。
 当然竿立ては頑丈なものが必要になる。いわゆる一本竿立てスタイルであるが軟弱なアルミ製などは簡単に曲げられる。なにしろロッドは垂直に立てた状態でセットするから竿及び竿立てに掛かるパワーはかなりのものがある。この点からもこの釣りは竿や竿立てに堅牢性が求められる。なお竿を垂直に立てるのは自動合わせをするためと、ラインを水面から離す副次効果もある。

 アタリとアワセ、やりとり

 オオナマズがかかったらブレークラインが切れ自動アワセが決まるが、もちろん手動でもしっかりあわせてからファイトを開始する。ファイトはその場で行っても良いがボートがあるのでボートでやり取りするのも一般的。オープンスペースならショアでそのままやり取りしても良いが障害物が多い場合はできるだけボートで川に出てやりとりを水平方向ではなく垂直方向で行った方がキャッチ率は上がる。

 ブイの併用、その他の釣りへの応用

ヨーロッパオオナマズ釣り用ブイ

 ブイはとにかく見やすいことが大切。また、大きなアンカーと併用ししっかり浮くことも重要。このマッドキャットのブイは空気を入れて膨らませるスタイルで直径は35cmもある。

 ブイフィッシングはブレークラインの派生形として非常に有効な釣法だ。

ボートが必要な点は変わりないが川幅の広い河川や対岸に障害物がない場面ではブイはとても役に立つ。

 ブレークラインというシステムはある意味で革命的である。確かに仕掛けをセットするのにボートが必要というデメリットはあるが、長時間の待ちの釣りでは仕掛けをピンポイントにしっかりと固定できることは大変に重要である。今回ご紹介したブレークラインの釣りは対岸の障害物にブレークラインを結ぶというものであったが、これの代わりにアンカーに結ばれた大きなブイに結ぶという方法もある。対岸が遠い場合や適切な障害物がない場合はこちらの方が良い。さらにブレークラインでは川を完全に横切り船舶の往来が不可能になるが大きな河川でブイを使用すればそのようなことはなくなる。

 逆に底を狙う場合はブレークラインを大きな石に結び沈める。ストーンフィッシングである。また、ベイトスライディングにブレークラインを用いてヨーロッパオオナマズ釣りに用いる手法もある。

 ブレークライン(捨て糸)と環境負荷

 ブレークラインは捨て糸であり、環境への観点から如何なものかと思われる方もいるかもしれない。しかしボートを使うが故に、ブレークラインは回収も可能 であるし実際には天然素材の紐などと併用されナイロンの捨て糸部分はわずかである。(逆にこれが長いとクッション性が高まり切れにくくなるのは先述の通り。)逆にブッコミ釣り等に比べネガカリのリスクが少なく環境負荷は低い側面もある。またブレークラインには生分解性のラインを用いればさらに好ましいだろう。


エクエス 9ft 3ピース ヨーロッパオオナマズをはじめとした淡水の巨大怪魚からソルトでのGTまで、ルアーゲームから餌釣りまで。そしてショアからボートまで。

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